『清冽 詩人茨木のり子の肖像』(後藤正治著、中央公論新社、2010.11) 911.52||Go
「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」
茨木のり子さんの詩、「自分の感受性くらい」の最後です。
読んで、どのように感じましたか?
怒られているような、でも励ましているような、また反省しているような。。。
「詩は文芸の領域で最上位に位置するもの」と後藤先生も本書のなかで言われており、詩は短い言葉にもかかわらず、人々のこころに与える影響は非常に大きいです。
本書は詩人の生い立ちから、「倚りかからず」や「わたしが一番きれいだったとき」などの有名な作品が生まれた背景を、丁寧に、真摯に書き綴っています。
そこには、余分な表現はなく、後藤先生の控えめな詩人に対する評価の仕方で、茨木のり子さんの人柄を浮かびあがらせています。
それにより、純粋に詩の力が伝わり、ぼんやりしていた自分の「感受性」の輪郭がはっきりするようで、身が引き締まります。
ぜひ以下にあげた本も併せて、ゆったりと読んでみてください。
*『自分の感受性くらい』 (茨木のり子著、花神社) 911.56||Ib
*『倚りかからず』 (茨木のり子著、筑摩書房) 911.56||Ib
*『詩のこころを読む』 (茨木のり子著、岩波書店) 911.5||Ib