こども学科 生駒 英法先生 推薦
『子どもが絵を描くとき』 磯部 錦司著
子どもが絵を描くとき、その一枚にはどんな思いや考えが込められているのでしょうか。本書は、芸術家であり、造形表現の研究者である磯部錦司が、子どもの描画活動を通して見えてくる心の動きや成長の過程を、わかりやすく解説した一冊です。 絵を「上手・下手」で評価するのではなく、子ども自身の表現として捉える視点が丁寧に示されており、読むことで子どもの表現について「見る力」や「受け止める力」が養われていきます。
そして、保育学生にとっては、「他者の表現を理解するとはどういうことか」を考えるきっかけになります。子どもの描く線や色の選び方には、その子なりの意味や理由があり、それを読み取ろうとする姿勢は、人との関わり全般にも通じる大切な視点です。本書には具体的な事例も多く紹介されており、実際の場面をイメージしながら読み進めることができます。
また、自分自身の子どもの頃の体験を振り返るきっかけにもなるかと思います。「なぜあのときあの絵を描いたのか」、「どんな気持ちで色を選んでいたのか」といった記憶をたどることで、表現することの意味をあらためて考え直すことができます。これは、美術に限らず、文章や音楽などあらゆる創作活動にもつながる大切な気づきです。
子どもの絵を通して、人の心の豊かさや多様性に触れることができる本書、これから多くの子どもと関わっていく学生にとって、有意義な視点を与えてくれる一冊です。読むことで、他者を理解しようとする姿勢や、表現を尊重する大切さに気づくことができるかと思います。一度、本書を手に取り読んでみてください。
こども学科 生駒 英法

