『ふたつの生命 後藤正治ノンフィクション集第1巻』
(後藤正治著、 ブレーンセンター、 2009.6) 916||Go||1
心臓と肺に移植でしか救われない病をもつ、若い日本人女性のドキュメントです。
心肺移植は心臓移植に比べてもドナーが少ないため、死と隣合わせで長期間待つことが余儀なくされます。
そんな彼女のもとに同じ病であるアメリカ人女性から手紙がきます。
二人とも心肺移植を待ち望み、励ましあい、そして最後まで生きることにまっすぐと向き合います。
「病室に閉じ込められている彼女と、外を自由に動き回れるわれわれとどちらがより<生きて>いるのだろうか、と。」(本書p.511あとがきより)
こう後藤先生が述べられているように、死を強く思えば思うほど、それと同じくらい、もしくはそれ以上に<生きて>いることを感じる作品です。
12/20に、後藤先生によるこの『ふたつの生命』をめぐっての公開講座が、306教室で16時40分より開催されます。
ぜひご参加ください。