『植物はそこまで知っている』
(ダニエル・チャモヴィッツ著、河出書房新社、2013.4〉471.3||Ch

― 「植物は、あなたを見ている。」
この言葉を聞いて、あなたは驚くのではないだろうか。
擬似科学本ではない。
本書は、進化論の祖であるチャールズ・ダーウィンを始め、
様々な植物学者や生物学者たちの研究に基づき、“植物の感覚”について教えてくれる。
各章に分け、「見る」・「嗅ぐ」・「聴く」といった各種感覚機能から「記憶」までが、
常に植物と動物とを対比させ、慎重に論じられている。
読み手には、特に植物学の知識などは必要とされない。
内容は専門的であるにも関わらず、文章は非常に分かりやすい。
その興味深い植物の世界を覗き込んだ者を、ぐんぐんと引き込んでいく力のある1冊だ。
果たしてあなたは知っているだろうか、植物がどこまで知っているのかを。
我々と同じように、太陽の光を浴び、風を受け、雨に打たれる植物たち。
彼らはこの世界を、どのように“感じて”いるのだろうか。
そう、その“行動”は、決して運まかせに起こされているのではない。
ぜひ本書を手にし、植物たちの未知なる能力に驚き、感動してほしい。