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2015/11/16 「推薦図書」自閉症児の困り感に寄り添う支援

<推薦図書>

『自閉症児の困り感に寄り添う支援』

著者 佐藤 曉 2007年 出版社 株式会社学習研究社 (378||Sa)

推薦文

本書では、自閉症のある子どものエピソードが記述されています。この

エピソードの読み解きについては、自閉症のある子どもとかかわってきた自身も「なるほど、そういうことだったのか」と納得です。自閉症のある子どもについての理解を深められる最適な本だとおもいます。

本書の中のあとがきから引用します。

この社会では、「言われなくても進んでする」能動性・積極性がよしとされている。もちろん、それがいけないとは言わない。しかし、一方で、そうではないことの価値も、もっと認められていい。

というのも、臨床の仕事には、受動性・消極性が求められるからである。イケイケのお節介な人は、この職業に向かない。

人はヴァリネラブルな(もろさをそなえている)他者に対して、受動的・消極的であることがとても難しい。そういう他者を前に、私たちは受け身であることに耐えきれず、ついつい「頼まれない仕事」をしてしまいがちである。ちょっと厳しい言い方なのだが、もろさを抱えた他者に自己の存在を負ってしまうのだ。クライエントに依存、というよりむしろ支配しているといってもいい。効力感に乏しく、不安が強い人ほど、そういうわなに陥りやすい。

そうではなくて、臨床という仕事は、相手が自分に語り出してくれるのを無期限に待つ、そういったきわめて受動的かつ消極的な営みなのだ。受動・消極ということばには、どことなくマイナスのイメージがあるが、決してそんなことはない。

はじめから「困り感」を口にする人は少ない。逆に、「困り感」をじょう舌に語るクライエントは、他者に依存することを実は知らないのだ。そういう相手に、この人になら自分のことを語り出しても傷つかずにすむかもしれないと思ってもらえるような、ある種の大らかさが必要なのである。

臨床家には、受動的・消極的に他者に寄り添う誠実さと、相手の求めを敏感に受け止める感性とが欠かせない。

保育者という臨床のお仕事を目指す学生さんには、ぜひ読んでいただきたいです。そして、自閉症のある子どもへの保育の参考にしていただければとおもいます。

児童教育学科 林 幹士

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